「今年のPÖFFでワールドプレミア上映されたフィリピン映画『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』は、まさに知的で映画的な喜びを与えてくれる作品だ。映画製作のあらゆる技術を結集した、この素晴らしいフィリピンの傑作に敬意を表します。 」
PÖFF | タリン ・ブラックナイト映画祭 (Niki Nikitin)
公式サイト:https://someonesgarden.org/aboutusbutnot/

監督:ジュン・ロブレス・ラナ / Jun Robles Lana
劇作家、脚本家、プロデューサー、映画監督。脚本デビュー作『SA PUSOD NG DAGAT』(英題「In The Navel of The Sea」| 監督:マリルー・ディアス=アバヤ | 1998)により、フィリピンで最も権威ある文学賞「パランカ賞」の殿堂入りを最年少で果たす。また同作はベルリン国際映画祭パノラマ部門でワールドプレミア上映された。 その後も脚本家としてさまざまな監督と共同し、フィリピン最大のテレビ局GMAネットワークのドラマ担当クリエイティブ・ディレクターに就任。 2012年には『ブワカウ』を製作・監督し、シネマラヤ映画祭のオープニングを飾り、トロント、ニューヨークなどの映画祭で高い評価を受けた。本作は同年の米国アカデミー賞フィリピン代表作品に選ばれ、 香港のアジア映画賞でエディ・ガルシアの最優秀賞を受賞。本作は第25回東京国際映画祭でスペシャルメンションを受けている。その後、『ある理髪師の物語』(2014)は香港、東京、マドリードの映画祭で受賞。ウディネ極東映画祭でフィリピンで初の最優秀女優賞を受賞、また第26回東京国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。『SHADOW BEHIND THE MOON』(2014)はウラジオストク 国際映画祭で最優秀監督、最優秀女優賞、フィリップス批評家賞、NETPAC ベストアジア映画を受賞、またインドのケララ国際映画祭でも最優秀監督 を受賞。『KALEL,15』はタリンとローマで上映され、特にタリン・ブラックナイト映画祭では最優秀監督賞を受賞。またハーレム国際映画祭でも最優秀男優賞(イライジャ・カンラス)を受賞した。 日本でも劇場公開された『ダイ・ビューティフル』(2016)は東京国際映画祭2016で観客賞と最優秀男優賞のダブル受賞を果たし、インドのケララでも上映。2016年のフィリピン映画で最も興行収入を上げた作品のひとつとなった。 本作『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』はタリン・ブラックナイツ映画祭で批評家賞(Critics Picks Best Film)を受賞し、シドニーのファンタスポルト映画祭でも上映。最新作ではフィリピン初のAmazonオリジナル映画『TEN LITTLE MISTRESSES』を監督している。
【フィルモグラフィー】
『そして大黒柱は…』(2024) ★第20回大阪アジアン映画祭特別注視部門上映
『ビッグ・ナイト』(2022) ★第17回大阪アジアン映画祭 コンペティション部門上映
『Kalel,15』(2022・未) ★第23回タリン・ブラックナイト映画祭 最優秀監督賞受賞
ハーレム国際映画祭 最優秀男優賞(イライジャ・カンラス)他
『ダイ・ビューティフル』(2016) ★第29回東京国際映画祭 観客賞・最優秀男優賞受賞
『ある理髪師の物語』(2013) ★第26回東京国際映画祭 最優秀女優賞受賞
『ブワカウ』(2012) ★第25回東京国際映画祭 スペシャル・メンション賞受賞
“文学部の教授と学生。男二人の食卓のスモールトークが、やがて心の闇に潜む悪魔的なサイコスリラーへと変貌していく。しかもひたすら静かな会話の往き来だけで。 会話の中には才人ジュン・ロブレス・ラナのいつものテーマーー『ブワカウ』『ダイ・ビューティフル』に続くジェンダー論や、『ある理髪師の物語』を思わせるフィリピン論ーーがしっかりと刻印されている。 フィリピンという場を超えた普遍的な物語だが、実はフィリピンでしかあり得ない物語でもあるという両義性に唸った。加えて、コロナ禍での制作の不自由を逆手にとった舞台設定と構成の見事なこと。紛れもない傑作! ”
– 石坂健治(東京国際映画祭シニア・プログラマー/日本映画大学教授)
“この緊張感はナイフのような切れ味だ。全ての台詞に無駄がなく、新たな秘密が明らかになるにつれてハラハラしながらパズルの新しいピースが落ちてくるのを待たされる。この映画は、フィリピン映画がここ数年見てきたフィクションの中で最も興味深い作品のひとつである。”
– NYLON MANILA

「アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス」ポスタービジュアル
「稀代のストーリーテラー、ジュン・ロブレス・ラナ の話題作がついに日本上陸!
孤独な文学教授 と 若き作家志望の青年 が、亡き恋人の秘密を巡って繰り広げる、90分間のワンシチュエーション・ノンストップ会話劇 『アバウトアス・バット・ノット・アバウトアス』が、日本初公開を迎える。
『ダイ・ビューティフル』 (2016)で東京国際映画祭の2冠を制したジュン・ロブレス・ラナが監督・脚本を手掛けた本作は、発表するやいなや国内外の映画祭で20冠近くに輝き、本国では舞台化も決定している話題作。愛する人との別れ、LGBTQ+、性加害、SNS世代の危うさ など様々なテーマがウィットたっぷりに盛り込まれた洗練されたプロットは、良質の短編小説のごときカタルシスに浸ることができる。
大ヒットドラマ『ゲームボーイズ』で日本でも人気を博した若手演技派イライジャ・カンラスが小悪魔な美青年を、アクションからラブロマンスまで幅広くフィリピン国民に愛されている国民的俳優ロムニック・サルメンタが傷心の紳士教授を演じた。1卓のテーブルのみという超ミニマルなセットを舞台に、目に見えないものも描き出す二人の洒脱な会話劇が幕を開ける。
受賞歴
第27回タリン ・ブラックナイト映画祭(エストニア、2022)
批評家選出部門 最優秀作品賞
サマー・メトロマニラ映画祭(フィリピン、2023)
最優秀作品賞| 最優秀監督賞 | 最優秀脚本賞 | 最優秀主演男優賞(ロムニック・サルメンタ)| 審査員特別賞(イライジャ・カンラス)| 最優秀撮影賞 | 最優秀編集賞 | 最優秀美術賞 | 最優秀作曲賞 | 最優秀録音賞
Gawad Urian Award(フィリピン、2024)
最優秀脚本賞 | 最優秀主演男優賞(ロムニック・サルメンタ)
7th Eddys(フィリピン、2024)
最優秀作品賞| 最優秀監督賞 | 最優秀脚本賞 | 最優秀編集賞
監督・脚本ジュン・ロブレス・ラナ
出演ロムニック・サルメンタ、 イライジャ・カンラス
撮影ニール・ダザ
編集ローレンス・S.アン
美術監督マルクス・マールン・ファデル
音楽テレサ・バローゾ
音響アルマン・デ・グズマン
製作Octobertrain Films 、The IdeaFirst Company、Quantum Films
後援CreatePH Films、Film Development Council of the Philippines
配給サムワンズガーデン
© The IDEAfirst Company,Octobertrain Films, Quantum Films
[ 2022年 | フィリピン | 91分 | 言語:英語・タガログ語 | DCP | 原題:About Us But Not About Us ]
【2018年 | フィリピン | 124分 | 言語: タガログ語・英語】