キエフで生まれたAPI、その闘いは続く。

January 23rd, 2025 / / /

Google Mapに少し飽きたときなど、カスタマイズ可能な地図APIとして重宝してきたのがLeaflet.js。最近、ふと日本全国の映画館を地図で表示させようと思い立ち、久しぶりに地図系APIの現状をいろいろと調べてみることに。その時なんとなくLeafletのサイトを開いてびっくりした。そこには次のように書かれていたからだ(要約):

「Leftlet.js APIは、キエフに住むウクライナ人、ヴォロディミル・アガフォンキン氏によって11年前に作成されました。ウクライナにはロシアの爆弾が降り注いでいます。家族、友人、隣人、何千何万という素晴らしい人々が避難し、命をかけて戦っています。ロシア軍はすでに女性や子供を含む数万人の民間人を殺害しており、(中略)ウクライナはあなたの助けを必要としています」と。

そうか、このAPIはウクライナで作られていて、今もこのメッセージが表示されるということは、戦いは続いており、かつまだ頑張っているということなんだろう(サイトはちゃんと動いている)。このことは、2年前に話題にしている人を見つけたので、すでに開戦当初からこの状態なのだろう。先ほどのメッセージは続きがある:「沈黙しないでください。ロシアの脅威について正しく知り、良識あるジャーナリストをフォローし、ロシアへの制裁とウクライナの支援を指導者に要求し、戦争に抗議し、ウクライナの友人に連絡を取り、ウクライナの慈善団体に寄付してください。そこで起きていることがどれだけ人道主義に反するか知っても動かないのなら、あなたは利己的な人間だと、私たちは非難します。ウクライナ国民の未来は Leaflet の未来なのです」。

彼らの地図APIは、ウクライナで起きている戦争行為を記録し世界に伝えるために利用されているという。https://ukraine.bellingcat.comhttps://liveuamap.com/をみると、確かにleaftletマップの上に生々しい戦況が記録されているのがわかる。何気なく使ってきたAPIが戦争で人助けに使われているなんて全く知らなかったし、それはすごいことなんだと思う。

新しく就任したトランプ米大統領は、SNSへの投稿でウクライナに侵攻するロシアのプーチン大統領に「今すぐ和解し、このばかげた戦争をやめろ!」と即時停戦を要求した。もし本当に終戦が実現するのなら、leaflet.js のウェブサイトからもこのメッセージは消えることになるだろう。ヴォロディミル「戦争が終わらないとAPIのバージョンアップはしない」と明言しているので、その時ときには新しいバージョンがリリースされるだろう…。あれ?よくサイトを見ると、Leaflet バージョン1.9.4のリリースは2023年の5月18日って書かれている…。彼らは、戦火の中でAPIのバージョンアップを頑張っていたのか…。僕らも頑張らないと。