Story ストーリー
コロナ渦に沈む大都会マニラの老舗レストラン。都会的なBGMを響かせた赤いフォルクスワーゲンが、その前に停まる。 バックミラーで身なりを整える大学教授エリックの心は、高鳴っていた。まだ何も知らないこの時は…。
著名な小説家である恋人マルコスを亡くしたばかりのフィリピン文学教授エリックは、教え子のランスと再会の約束をしていた。 喪失感を抱えつつも、自分を慕うランスとの時間を楽しみにしていたエリック。アップルパイとダフトパンクの話題で距離を縮めてゆく二人だったが、マルコスの話をきっかけに空気は一変する。まるで“別人”のように。自分を見つめるランスの瞳の奥から、エリックはマルコスの驚くべき真実を知ることになる…。